第1章 溺れた女
「おう、いいぞ。」
私の不躾な願いに対して、少しの間も無く麦わらの少年が了承をした。
普通であれば、こんな何処の馬の骨ともわからない人を自分の船に乗せたいと思うはずがない。
もしかしたら、良心に漬け込んで船内の人たちの命を狙ってるかもしれないでしょう??
だから、悩む暇もなく了承した彼に私は驚いた。
『い、いいの・・・?そんなアッサリと。』
「そもそも、こんな海のど真ん中で放り出せねぇだろ。」
鼻の長い少年も特に異議は唱えなかった。
確かに、それもそうなのだが。
正直、私には小舟を出す手段がない訳ではない。
しかしながら、また転覆してしまうかもしれないし、そんなリスクを背負ってまで再び小舟の旅に出たいと思わない。
『ありがとう、お世話にならせて貰います。私はディストラクト・クレアです。どうぞ、気軽にクレアと呼んで。』
そう名前を告げると船員たちも名前を教えてくれる。
麦わら帽子の彼はルフィ。
オレンジ髪の女性はナミ。
鼻の長い少年はウソップ。
金髪の青年はサンジ。
小さな船医はチョッパー。
黒いロングヘアの女性はロビン。
そして、先程から鋭い目で私を睨んでいる緑髪の彼はゾロだ。