第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
【ルフィ!無茶いうな!!おれ達が追いつくまで待たせろ!!それにクレアもいるんだぞ!】
ゾロがルフィに抗議の声をあげる。
【おいコック聞こえるか!その列車にはヤベェ奴らが【いいってゾロ!お前ならどうした、止めたってムダだ。】
ゾロの声をルフィが遮る。
ここまで旅をしてきた船の船長であるルフィの口ぶりは、船員のことをしっかりと理解しているようだった。
「・・・わかってんなァ、おうマリモ君、おれの心配してくれんのかい?」
【するかバカ。心配してんのはクレアのことだ。】
サンジの言葉に、ゾロは怒り口調で返答する。
ゾロが私を心配?あんなにも敵視してたのに??
『ゾロ、心配してくれてありがとう。でも私なら大丈夫、必ず貴方たちの助けになる。』
「おいマリモ君、クレアちゃんは強かったぜ。二車両分の役人共を俺と一緒に戦ってくれたんだからなぁ。」
サンジの強さには敵わなかったけれど、と心の中で独りごつ。
「だが残念。そもそもそんなロビンちゃんの気持ちを聞かされちゃあ・・・たとえ船長命令でも、俺は止まる気はねェんで!!!」
サンジはそう言って電伝虫をバキッと壊す。
『ちょっ!?』
私は電伝虫が壊れてしまったことに動揺するが、ウソップもフランキーも少しも動じていなかった。
「じゃあ、ロビンもこの列車に?」
「あぁ。」
暗い顔で声を発したウソップに、サンジは一言返事をする。
「おれが一味を抜けてる間に・・・そんなことが起きてたのか。」
一味を抜けている?
だからウソップは一言も声を発さなかったというのか。
「ロビンちゃんはメリー号の件もルフィとお前が大喧嘩したことも、何も知らねェ。」
メリー号のことは、屋根への移動時にウソップのしゅんとした顔が気になり問いかけて聞いたが・・・あんなにも仲が良かった2人が喧嘩だなんて信じられない。
「だから、お前を含めたおれ達6人が全員無事でいられる様にと、ロビンちゃんは自分の身を犠牲にしてあいつらの言いなりになってんだ、おれ達の為に。」
ロビンの覚悟にも驚かされる。
仲間の為にそんなにも尽くせるものなのか。
私は、私は・・・それほどに信じられる人が出来るのだろうか。
それほど大切だと思える人と出会えるのだろうか。