第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
ポッポーッ!!!
少し経つと汽笛の音が鳴った。
駅員も笛を吹いて、ピリリリーという音が耳に届く。
【本日最終便"海列車" ウォーターセブン発エニエス・ロビー行き、出航します。】
アナウンスと共にシュッシュッと列車が動き出す。
『サンジ、まだなの?』
私はそう呟きながら列車の方へ飛び出し、最後尾に手をかけ飛び乗る。駅員に止められるかと思いきや、駅員は別の方向へ慌てて駆けていった。
「おい、ちょっと君、誰だ!!」
「危ないから離れなさい!!」
最後尾から少し顔を出してそちらを見ると、サンジがいた。
駅員たちを蹴飛ばして制止を振り切る。
『サンジ!』
私はサンジへと手を伸ばす。
横を通り過ぎるタイミングでサンジは私の手を取り、サンジも無事列車に乗ることが出来た。
「結局クレアちゃんも乗ったんだね。」
『折角の忠告を聞かないで、ごめんなさい。』
私が申し訳なさそうに謝罪をしてサンジをジッと見ると、サンジが私の手をバッと取った。
「大丈夫だ、俺がクレアちゃんに傷1つ付けさせない!」
『自分の身は自分で守れるよ。』
私はサンジに引き気味にそう告げて、手を離してもらう。
あはは、と苦笑いするしかなかった。
「それにしても、どうしてこんな危険なことを?」
サンジが不思議そうに私に尋ねる。
『高潮回避のためよ。』
「だったら、ウォーターセブンの避難場所に行けば良かっただろう!?」
『でも、今は違う。』
入り口でロビンとウソップを見かけて、サンジと遭遇して私の目的は変わった。
友人のために私に出来ることを考えた結果だ。
『麦わらの一味は私の友達であり命の恩人。貴方たちに危機が迫ってるなら少しでもその助けになりたいの。』
「・・・そうか、ありがとう。」
サンジがパッと笑った。
ただ、足手まといにならなければいいけど・・・と私は自身を心配する他なかった。