第10章 海中の愛言葉(魚人島編)
宴もたけなわ、宴は程よくお開きとなりーーー
「え〜!財宝もらえるのか〜!?」
ウソップが目を輝かせながら喜びの声をあげる。
どうやら、国王様は私に絵を譲ってくれたように、麦わらの一味に対して財宝をくれると言ったようだった。
話を聞く限り、その財宝はあの"カリブー"とかいう気味の悪い海賊に盗まれてしまい、それをルフィとサンジ、ゾロが探しに行っているらしい。
「ルフィ様たち、お平気でしょうか、ナミちん様。」
「うん、いいの、いいの。」
しらほしは心配そうな表情をするも、彼女の手のひらにちょこんと乗っているナミはそれを一蹴した。
フランキーは大金持ち海賊団への未来に喜び、ブルックは人生はそんな簡単なものかと哲学のような疑問を口にする。
チョッパーは加勢すべきかと優しさを見せたが、ウソップがあの海賊は2億超えだと言ったことで驚いた。
まあ、とにかく私たちは大人しく待つというのが得策なわけだ。
「そんで、クレアが持ってるデカい包みはなんだ?」
『あぁ、これは国王様から譲って貰った叔父さんとその親友の絵だよ。』
私が丁寧に梱包してもらった包みを剥がしてみんなに見せる。
「それって凄い価値があるのよね!?」
ナミがそれを見て目を$に変えてこちらを見た。
『こ、これは売り飛ばさないでよ……?』
何だか知らないうちにお金に変えられてそうで少し怖くなるが、みんなが私の持つ2つの絵を興味深く見ていた。
「オレは、あんまり絵についてはよくわからねェけど、これが凄いもんだってことはわかるぜ。」
「キレイな絵だな〜!」
ウソップがニコリと笑みを浮かべながら言い、チョッパーも無邪気に感嘆の声を上げた。
叔父さんとエリシエンさんの絵をこうして褒められることが、なぜだが自分のことを褒めてくれているのと同じくらいに嬉しくて、ムズムズとするのだった。