第10章 海中の愛言葉(魚人島編)
「まだまだだトゲ!」
トゲマルが幾度もトゲを発射し攻撃をしてくる。
私はそれを撃ち落としつつも攻撃の機会を伺っていた。
トゲマルの発射するトゲは見境がないため、彼の仲間にも被害を与えていた。自滅してくれるなら好都合だ。
あぁ、もう撃ち落とすことすら面倒だ。
『"2丁拳銃:火炎放射器"!』
私は創造の力で瞬時に武器を変えて、炎を発射する。
炎はトゲマルのトゲを焼き切り、彼へと隙を与えた。
『"弓矢:バーストアロー"!』
トゲマルへ弓矢を撃ち込むが、すんでのところで彼はそれを避けた。背後にいる敵たちに当たり盛大な爆発を巻き起こす。
「あ、あ、危ないトゲー!何するトゲー!」
『戦ってるんだから、危ないのは当たり前でしょ?』
トゲマルは私の攻撃に怒りの声を上げ、私はそれを軽く受け流した。
それから、再び異変を感じて空を見上げると、遠かったはずのノアが魚人島へ向かって落ちてきていた。
【緊急避難命令発令!「巨船ノア」が再び島へ落下中!今すぐ島を離れて下さい!】
島中へアナウンスが流れた。
ルフィやしらほしはどうなったのだろう…無事でいるのだろうか。
周囲がざわりと騒がしくなる中でルフィに魚人島を託す旨が流れる。ルフィは無事だ、ホーディに奮闘しているらしい、一先ず安心だ。
【おい、麦わら…ホーディの正体がわかった…ホーディは、環境が生んだバケモノだ。】
それは一体誰の声か、私には判別出来なかったがホーディに対しての見解を述べ始める。
ホーディたちの恨みには"体験"と"意思"が欠如しており、実体のないからっぽの敵だというのが見立てだった。
…何となく言いたいことは伝わる。
そして、そういったものの方が何倍もタチが悪いということも。