第10章 海中の愛言葉(魚人島編)
『なに、これ。』
私たちは救出のために竜宮城へ辿り着いたが、その一角が一刀両断に斬られていたのだ。
「おい!あそこ見てみろよっ!」
チョッパーが指をさしながら発する声に目を細めてみると、3人が竜宮城の外をウロウロとしていた。
「マリモたちじゃねぇか、何だよ俺たちが急ぐ必要無かったんじゃねぇか。」
サンジはそう言うが、私は一刻も早く安心がしたかったので急いで良かったと思っていた。
私は三人の無事を確認したことで身体の力が抜けた、はぁ…と船の手すり部分にもたれかかる。
「お、サニー号じゃねぇか!おーい!」
近づいて行く私たちに気づいたようでウソップが大腕を振ってこちらに呼びかけてくる。
『もう、あんたたち!心配かけんじゃないわよッ!』
私が3人に怒鳴るとウソップとゾロが顔を見合わせた。
「何であいつあんなに怒ってんだ?」
「さぁ?」
ゾロが私を指さして言った言葉に、ウソップが首を傾けた。
そんなに殴られたいのかしら??
「ヨホホホ!私たち無事に生還致しました〜!」
ブルックがいつも通りの明るい声で私たちに無事を報告する。
「ということで…クレアさ〜ん!パンツ見せて貰ってもよろしいですか〜ッ!?」
『良いわけないだろ!どういう訳だよ!』
わざわざ大声で呼びかけてくるくだらない事象に、私はつい突っ込んでしまう。
サニー号が竜宮城へ到着した。
私はすぐさま飛び降りてゾロの前にツカツカと歩いて行く。
『ちょっと!あんたがいながら大人しく捕まるなんてどういう了見!?』
「いや、でもゾロは海の中なのに凄かったんだぜ。」
ウソップが口を挟むので私はギロリと睨んでやる。
ウソップは私の鬼のような形相を見てギュッと口を噤んだ。