第10章 海中の愛言葉(魚人島編)
「わー!森からデッケー電伝虫!」
チョッパーの声にそちらを向くと、のろのろと電伝虫がこちらに進んできていた。
そして、その電伝虫から映像が映し出される。
【あー、全魚人島民…聞こえるか?俺は魚人街の"新魚人海賊団"船長、ホーディ・ジョーンズだ。】
ホーディ・ジョーンズ…こいつが私たちの敵…。
【魚人島リュウグウ王国国民に伝えたいことがある…この国は一度、崩壊する。そして、生まれ変わる!新しい王は、俺だ!】
ホーディは人間を憎んでいた。
その理由は何なのか、私にはわからないけれど人間に歩み寄ろうとする魚人島の人々を許せないようだった。
【お前達はネプチューン一族に唆され、死は続く道を歩かされているだけだ!目を覚ませ!】
「そんな…。」
ホーディの言葉にしらほしは涙を流す。
【これを見ろ。】
そして、映し出されるのは大きな男。
「お父様!」と叫ぶしらほしの声に、それがリュウグウ王国の国王なのだと理解できた。
「あの王様が捕まっている原因は、私たちにあるっていうか…ゾロにあるっていうか…。」
「何をして来たんじゃ、お前たち!」
ナミの呟きにジンベエが声を上げる。
本当に一体何をしたの…?
「で…でも、親分さん!勘違いでナミちんたちを襲ったのはネプチューン軍の人で!」
ケイミーがナミを庇うように言う。
なるほどなるほど、私が追われたのは勘違いというわけか。
なんとも迷惑な話だ。
【旧リュウグウ王国との決別の時だ…3時間後、ギョンコルド広場にて、この無能な王の首を切り落とす!】
それからホーディは反逆するものは処分するという。
なんて勝手なものか、こんなやつが国王だなんてそんなこと…あってはならない。