第10章 海中の愛言葉(魚人島編)
『創造:大楯!』
海の森への移動中、何度も飛んでくる武器を私とルフィで弾いていく。
『はぁ、キリが無いなぁ。』
バンダー・デッケンによる攻撃は、おそらく何らかの能力によるものだろう。確実にしらほしに向かって一直線に飛んでくる。
「すみません…。」
しらほしがしょんぼりとしながら私に謝る。
『あなたが謝ることないわよ、悪いことは何もしてないんだから。』
悪いのはぜーんぶバンダー・デッケンだもの。
しらほしはずっと城から出ることができなかったらしい。
だから、行きたい場所へも行けずにいたのだ。
自由のない生活、それがどれだけ苦しいか。
私にはよくわかる。
「あ、もうすぐ海の森です!」
しらほしの声にハッとする。
徐々に美しい光景が広がってきて、絵に収めたい衝動に駆られる。
「お〜!綺麗な場所だなぁ!」
ルフィも嬉しそうに声を上げた。
「え〜ん、ありがとうございますルフィ様…私、ずっとここに来たかったのです〜。」
しらほしが涙を流しながらも喜びを口にする。
チョッパーもゆっくり治療出来るかもしれない、と歓喜した。
「あ、サニー号だ!」
ルフィが海の森のシャボンの中にあるサニー号をいち早く見つける。目を凝らすとそこにはフランキーもいた。
私たちが無事にサニー号のところへ着くとルフィは真っ先にしらほしのことを紹介した。
「紹介するよ!こいつ弱虫!」
いや、どう考えても紹介の仕方間違えてる。
「そうか、弱虫か!しっかりしなきゃな、姉ちゃん。」
そしてフランキーはそれを受け入れるな。
「はい…すみません。わたくし、しらほしと申します。」
全然しらほしは謝らなくて良いのよ!!
あーもう、ツッコミ不在はこれだからッ!!!