第9章 再会(2年後編)
「んだと、クソマリモ!!」
俺にガンを飛ばすクソコックを横目に、俺はクレアへと近づいていく。
ロビンの膝で眠りについているクレアの顔を覗くと、とても苦しそうでうなされていた。一体どんな悪夢を見ているのか。
横にしゃがみ込み、頬に手を伸ばす。
一度頬を撫でるとクレアの苦しそうな表情が少しだけ和らいだ。
寝てる場合か、目を覚ませ。
苦しそうな顔をするな、笑っていてくれ。
目を開いている限り、俺が必ずお前を守るから。
「目を覚ませ、クレア。」
俺はクレアの頬をぐにっとつまむ。
そうすると、んんっと小さく声を漏らして少しずつ目を開く。
そして俺と視線がばちりとあった。
『うわぁぁあああ!!』
ばちん!
綺麗な音が鳴り響いて、俺の頬が打たれた。
「てんめェ!2年経っても成長してねェな!!」
『え、あ、え!?ごめん!!』
クレアは未だに状況を理解していないようで、困惑しながらもそばにいたロビンにぴたりとくっついている。
周囲の仲間たちは俺とクレアの様子を見て面白そうに笑っていた。何より、クレアが目を覚ましたことで全員が安心したようだった。
クレアは俺がつねった方の頬に手を当てている。
何故だか痛い頬に疑問を持っているようだ。
2年前もこうして俺は頰を打たれていた。
あの時から何も変わっていないような気がして、それが嬉しいような悲しいような…。
だが、クレアの持つ闇を振り払ってやりたいと言う気持ちは、相変わらず持っているのだった。