第9章 再会(2年後編)
みんなが強くなっていて、少しだけ焦る自分がいる。
私も、みんなみたいに強くなれてるかな?
・・・きっと大丈夫。
たくさん修行もしたし、たくさん研究もしたんだから。
「あれ、何かいるぞ!サメ!?」
チョッパーの声に目を凝らしてみると、確かにクラーケンからサメが飛び出したのが見えた。
次の瞬間、ルフィたち3人とクラーケンが下降流に飲み込まれた。
「やべェ!追うんだ!行くなら一緒だ!」
フランキーの声と共に、サニー号も下降流に乗って下へ沈んでいく。
『わぁああああ!!』
物凄いスピードで落ちていく。
ナミが指示を出して、みんなで船体を維持しているけれど、私は船にしがみ付いているのがやっとだった。
耐えきれずに手が離れる。
いつの間にか、私は気を失ってしまった。
「姉さん、僕は反対だよ!あいつのことを信じるなんて…。」
幼い頃のリノスが真剣に私の瞳を見つめながら訴えかけてくる。
これは夢か、それともただの過去の記憶か。
ただ唯一はっきりしているのは、これが私にとってとてつもなく嫌なものだということ。
『大丈夫、きっと彼なら私たちを助けてくれる。』
私の意思とは反して自然と言葉が出てくる。
幼い私の声。
リノスは不安そうに、それから心配しているのだという表情を浮かべた。
「あいつも他の奴らと同じだったら?僕はただ、姉さんのことが心配なんだ。」
『私は信じてる。だって、彼のことを…。』
その続きを私は鮮明に覚えている。
だけれど、どうしても聞きたくなかった。
これは夢だ、目が覚めろ、目が覚めろ、目が覚めろ。
そう強く念じたことが良かったのか、言葉の続きは聞こえずにいた。リノスも消え去って、暗い世界が広がる。
ただ一つだけ小さな光があった。
それは次第に人の姿に変わっていく、あれは誰?
暗かった世界に光がさしたのは、仲間と出会ってから。
人を信じることが出来たのは、みんなのおかげ。
もっと大切なことを教えてくれたのは?
そう考えた時に光の正体がわかった。
会いたい、あなたに。