第9章 再会(2年後編)
「海賊船だァ!」
海獣と共に船がこちらに突っ込んでくる。
いきなりこんなことが起きるなんて、幸先悪すぎじゃない!?
「まさか、シャボン越しに乗り込んでくる気じゃ。」
相手は一体誰なのか、ぐいぐいと船を押し付けてくるのでシャボンが割れてしまわないかと心配になる。
「ちょっと待ってよ、あれ・・・モーム?あんた、アーロン一味のモームでしょ!」
ナミが船を引っ張っていた海獣に声をかける。
どうやら顔見知りのようだ。
しかし、モームはナミやルフィ、サンジの顔を見てガタガタと震える。
「野郎共ォ、俺に続いちゃえ〜!」
敵の船から1人、こちらに乗り込んでくる。
戦闘は免れないか、と私はマシンガンを創造しようとするが、ここで打ったらシャボンにたくさんの穴が開いてしまうと躊躇う?
どうしたら、と悩んでいる間に船を引っ張っていた海獣のモームが「もぉおおおお!」と物凄いスピードで逃げていった。
「さぁ、挨拶代わりにィ〜!ガトリング銃をぶっぱなせェ〜!麦わらの一味を全員ブゥチ殺して・・・。」
そこまで威勢良く言ってから、自分の仲間たちがいないことに気がついたらしい。「え」と小さく声を出して目を丸くした。
そうして味方を失った敵は、あっさりとフランキーに捕らえられた。ゾロに誰かと聞かれると、自分は船長じゃないとか鉄砲玉として使われたんだ!とか嘘を抜かす。
「え・・・なぁ、コイツ少し可哀想なヤツかも。」
チョッパーが少し悲しそうにして言う。
「んなわけねェだろ!全部ウソだよ!」
「えーっ!ウソーっ!?」
ウソップの言葉にチョッパーはとても驚いている。
少し疑うってことを覚えないと、可愛いチョッパーのことだからすぐに騙されてしまいそうだ。
私が必ず守らなければ、と謎の使命感に駆られた。