第9章 再会(2年後編)
「割れる割れる!」
サンジの鼻血の勢いがすごすぎて、シャボンを突き抜けてしまいそう・・・だと思っていたらポン!とシャボンを抜けてサンジが外に出た。
「サンジが海に飛び出たぁ!」
ルフィは慌ててサンジに向けて腕を伸ばす。
「サンジ〜!帰って来ォい!」
ただ、外は海なのでルフィは力が抜けてしまい少し時間ががかってしまう。
サンジは鼻血を垂れ流しながら口から水を吹いていた。
・・・凄く情けない、凄くかっこ悪い。
それにしても、サンジはこの2年で女性にとことん弱くなってしまったようだ。これから人魚に会うわけだけど・・・ホントに大丈夫?
チョッパーは人魚と血液型が合うかどうかを心配していた。
「つまり、今のようにシャボンディ諸島のシャボン玉と特性は変わらないのね?」
「冷静にシャボン分析を続けるな、お前!」
ロビンの冷静すぎる言葉にウソップがツッコミを入れる。
サンジ、凄いガクガク震えてるけど出血多量で死んだりしない?大丈夫?
「そう!基本的には同じよ。ある程度まで伸びて、それ以上は突き抜ける。極端な話、船に襲いかかる海獣に向けて銃や大砲を撃ち込んでもシャボンは割れないんだって!」
ロビンの問いかけにナミが解説をした。
私はなるほど、と理解してコクコクと相槌を打った。
「じゃあ、逆に何があると割れるんだ?」
ウソップの質問と共にチョッパーが焦るのでそちらを見ると大きな海獣がいた。しかし、その海獣はそれよりも大きい海獣に噛まれた。
「一度に多数の穴が開いたりすると流石にダメみたい。例えば、海獣や海王類のキバで噛まれたらほぼアウト。岩や海溝にぶつかったりして中の船そのものが壊れても、マストや船体の割れ口でシャボンが割れて・・・それもアウト。」
なるほど、つまり気をつけるのは海の生物と障害物か、とナミの説明で合点がいく。
意外と強いんだな、というウソップの意見に私も賛成の意を示した。
「でも"魚人島を目指す船は到達前に7割沈没するので注意"」
『ひぃいいい、怖すぎる!』
「「何が起きるんだよォ〜!」」
私とウソップ、チョッパーはゾッとして叫び声を上げた。