第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
「きゃっ!!」
聞き覚えのある声が再び聞こえた。
『ナミ・・・。』
私は小声でその声の主の名を呼んだ。
どうやら、この事態の把握をしている間に民衆がナミを捕らえたらしい。
「やめてよ!!放してってば、私たちが何したっていうのよ!!」
「とぼけるな、暗殺者の一味め!!よくもアイスバーグさんを撃ちやがったな!!!逃がさんぞ!」
ナミが抗議をすると、捕らえている男が声を荒げた。
「おい!やめろ、お前らァ!!俺たちはなんもしてねェ!!!」
ルフィはナミの方を見て訴えるが誰もそれを聞き入れはしなかった。
密かにでも友人だと思っているのなら、私だけでも彼らを信じるべきだ。
それにルフィは嘘が苦手なのだ、だから本当は何かをしてしまっているならばあれ程強気に訴えることは出来ないだろう。
だからといって、この状況で私に何が出来る??
私に出来ることは何??
このまま出て行ったところでルフィの力になれる訳ではない。
私もナミ同様に捕まってそれで終わりだ。
第1、私は彼らのように政府に追われる身にはなりたくない。
だけれど、彼らを助けたい。
その感情が私の中でグルグルと渦巻いて混乱していく。
とにかく一旦ここを離れよう、今この状況では私には何も出来ないのだから。
そう思い、私はこの人集りを揉みくちゃにされながらもどうにか離れることに成功した。