第9章 再会(2年後編)
「あの女帝と・・・仲良し!?」
背後でサンジがボソリと呟き、それからグッとルフィの胸ぐらを掴む。
「おめぇ!ちゃんと修行してたんだろうなぁ!!」
クラァ!とサンジが声を上げる。
『凄い・・・泣いてる・・・。』
しかし、その顔はぐしゃりと歪み涙を流していた。
「おう、バッチリだぞ。」
「お前ッ!俺なんかなぁ!俺なんか・・・。」
もしかしたら、サンジは壮絶なところに飛ばされていたのかもしれない。
「バルブ開くぞ!船底のエアバッグから空気を入れる!」
フランキーがそう言うと、船からぷくーとコーティングされたものが広がっていく。
「うわー!シャボン玉の屋根ができた!」
ぴょんぴょんと跳ねて喜ぶチョッパー。
可愛い。
ウソップがシャボンディ諸島の方を神妙な顔で見つめる。
どうやら海兵たちが陸から追って来ないことが不思議らしい。
確かに、言われてみれば不思議だ。
全員がトラブルに巻き込まれた?そんなことある?
「みんな、いい!?コーティング船は色々な圧力を軽減する力を持ってるの!つまり、コーティングした船は浮力が足りなくなり、今船底を支えている"浮き袋"を外すと船は海底へ沈んでいく、そう言う仕組み。」
「なるほどー。」
ナミの説明にルフィとゾロは真顔で答える。
多分、全然わかってない。ナミも「わかんないわよね。」とサジを投げた。
ちなみに、私も良くわかっていない。
「浮き袋外したぞ!」
フランキーが海から上がってきて言う。
凄い身体だから、フランキーはたまに能力者だったような気がしてしまう。そういえば生身の人間だった。
生身・・・と言っていいのか?
「了解!沈むわよ、みんなすぐに帆を張って!」
ナミの言葉にブルックが「帆!?」と驚いた。
海流が風のようになって海中を進んでいくらしく、沈んだら勝手に着くというわけではないらしい。