第9章 再会(2年後編)
遂に集合の日があと2日と迫ってきた。
4日前にゾロと再会し、その後ゾロは釣りがしたいとまたふらふらとサニー号から離れていった。
サニー号でやればいいのに、何か道具でも探しに行ったのだろうか。どっちにしろ、しばらくは戻らないだろうと感じた。
ゾロは左目に縦に傷を負っていて、どうしたのかと聞きたかったけれど、今はとにかく再会を喜ぶべきだと聞かずにいた。
きっと2年間、私が想像出来ないくらい過酷だったのだろう。
私は相変わらず絵を描く日々だ。
一昨日は市街地を昨日は遊園地を描いた。
今日は絵を描くのは一旦お休みして、ショッピングだ。
ここは天竜人も出歩いている、叔父さんの絵が置いてある可能性は十分にある。
ただ、問題なのはそれをどうやって手に入れるか。
お金はあまり持っていないし・・・触って創造の力で複製は出来るけれど、そうすると本物が二つ存在することになるし・・・いや、複製したものは本物とは言えない。
叔父さんの手で描かれたものだけが本物だ。
私は絵を売っているマーケットに辿り着く。
中には多くの絵が売られていて、そこにはアルテ島の人たちの作品も多くあった。勿論、私の作品も。
『わぁ、こんな値段で・・・。』
私の作品の値段は、今まで私が売っていた値段よりも何十倍も高く目を丸くしてしまう。
まぁ、芸術雑誌に載るくらいだから安い値段でないことはわかっていたけれど。
それから、叔父さんの作品が並べられていないかを探す。
『あった・・・。』
アーティルスの作品『子どもたち』
小さな女の子と男の子が笑いながらリンゴを頬張っている絵だ。
その2人は私とリノスだとすぐにわかった。
この絵には見覚えがある。私とリノスと叔父さんが一緒に住んでいるときに書いていた絵だ。
流れ流れて、ここに辿り着いたのか。
叔父さんの絵だというサインを確認する。
全てある、本物だ。
値段をチラリと見る。
・・・どう考えても買える値段じゃない。
私は、はぁ・・・とため息をつき気落ちしながらマーケットを出た。