第9章 再会(2年後編)
---Side ゾロ---
シャボンディ諸島についてからどれくらい経ったのか、俺は未だにサニー号を見つけられずにいた。
レイリーの元へはビブルカードを使って辿り着いたが、サニー号のある17番GRには一向に辿りつかない。
シャボンディ諸島、どんだけ広いんだ。
「こんなとこにあったのか。」
そうして今やっと、サニー号を見つけることが出来た。
もう誰か戻っているのか、それともまだ俺しか辿り着けていないのか。
『・・・ゾロ。』
声が聞こえた。
それは2年前の脳裏から離れない光景と同じものだ。
サニー号から視線を下に向けると、銀色の髪の少女がいた。ただそれは俺が知っているものよりも随分と短くなっていた。
「クレアか!どうしたその。」
髪、と俺が言い終わる前にクレアは俺に飛びついてきた。
俺は、それをギュッと抱きとめる。
『やっと、会えた!』
そう言いながら向けてくる顔は本当に嬉しそうで、2年間会いたいと、守りたいと思っていた姿がここにある。
それに、自身の身体に寄せられるクレアの感触から、随分と成長したらしい、と感じられた。
俺は、クレアのことを見下ろしながら、2年前最後に見た表情を思い浮かべる。もうあんな表情はさせない。
2年前と今の俺は遥かに違う。
俺はジッとクレアの顔を見つめる。
それに対して、クレアは小さく首を傾けた。
瞳の奥にある力強さ、だけれどどこか弱さも感じる。
そして今触れて、2年ぶりに再会して気がついた。
俺は、彼女に惹かれていたのだと。