第9章 再会(2年後編)
『わ、ほんとにあった。』
勿論、なくなるわけがないのにサニー号が本当にあったことで遂に戻ってきたんだという実感が湧いてきた。
ぴょん、と飛んで船に乗る。
船が何だかぷにぷにしたもので覆われている。
なるほど、これが"コーティング"か。
「誰だ!」
後ろから声が聞こえて振り返る。
そこにいるのは大きな男で、私はその姿と声からその男が誰なのかわかった。
『フランキー!』
私は喜びの声を上げて、2年ぶりの再会に手を大きく振った。
「その声は、クレアか!髪も短くなって、何だか・・・大人っぽくなったんじゃねェか!?一瞬誰かわかんなかったぜ。」
フランキーは私だと認識して、強張った顔を緩めて笑顔を浮かべた。そして何だか無駄なポーズを決めている。
ごめん、それがカッコいいかは私にはわからないや。
『フランキーは、なんか・・・でっかくなったね。』
なんか一回りくらい大きくなったような気がする。
しかも機械部分が多くなったような・・・でも、フランキーだってことはすぐにわかる。
「ア〜〜〜オ!クレアは、このカッコ良さがわかるんだな〜!」
『え、あぁ、うん。』
全然わかってないけど、まあわかったということにしておこうと、私はぎこちない相槌をうった。
『フランキーよりも前にゾロが到着してるって聞いたけど・・・どこにいるか知ってる?』
「いや、俺もまだ会ってねェんだ。」
『そっか、また迷子にでもなってるのかなぁ。』
どう考えても、そうとしか思えないので私たちはゾロは迷子になっているということで納得した。
集合の日まであと1週間。
一体何をして過ごそうかと考えていた。
取材の日は、集合の日の朝ということになっている。
だって、早くに取材を受けて引退宣言をして私が麦わらの一味だと公にしてしまったら、警備が強化されてみんなに迷惑をかけるかもしれない。
だったら、ギリギリまでそれは待った方がいい。
まあ、何をしようか考えたところで、やっぱり絵を描くという選択肢しか私は浮かばないのだけれど。