第9章 再会(2年後編)
「順調に芸術家として名を挙げているようだね。」
『はい、ありがたいことに。』
レイリーさんの言葉に私はニコリと笑う。
ルフィたちの仲間になる前は、絵を描いてはそれを売って生活費を稼いでいた。だけれど、それが売れないことの方が多くて随分と落胆したものだ。
それが今では、そこそこ名の通る芸術家になった。
勿論、叔父さんやカラルさんの足元にも及ばないアマチュアだけれど。
『でも、今度取材を受けるときに一時的に引退するって宣言しようと思っているんです。冒険をしながら作品の発表は出来ないですから。』
私がそう告げると、レイリーさんとシャッキーさんは理解したようにコクコクと頷いた。
「アーティルスも航海中に絵を世には出さなかったな。」
叔父さんは世界を見てたくさんの絵を描いたけれど、それを発表したのは旅が終わってからだった。
私も、おじさんのようにたくさん絵を描いて、いつかその冒険の様子を世の中に出すんだ。
まぁ、海賊の絵なんか買ってくれないかもしれないけれど。
『私、サニー号を見てきますね!』
「あぁ、船は17番GRにあるぞ。」
『17番GR・・・わかりました!』
私はシャッキーさんの店を飛び出し、サニー号目指して走り出す。
早くサニー号も見たいし仲間にも会いたい!
そう思いながら向かっていく道中、ガラの悪い男たちに囲まれ出した。
「お嬢ちゃん、こんなところで1人フラフラしてるなんて無用心だねぇ!」
「こりゃあ売りに出したら良い値がつきそうだ!」
「その前に俺たちが遊んでやろうぜ!」
男たちは私をジロジロと見ながら値踏みし、舌舐めずりをする。
なるほど、人攫いなのだろうと予測ができた。
『女だからってなめないで欲しいね。』
向かってくる男たちにマシンガンを向け、ズガガガガ!と撃ち込んでいく。トン、とジャンプをして宙返りをし後ろの敵にも弾をお見舞いさせた。
以前より通常の弾も改造によって威力が上がっている、前より敵の一掃は随分と楽だ。
「貰ったぁ!」
背後からの気配をすでに察知していた私は、マシンガンをショットガンに変化させズガン!と一発撃ち込んだ。
『さてと、早く17番GRに向かわないと。』
こんな奴らに一々付き合ってたらキリがないなぁ、と思いながら私は目的の場所へと歩みを進めた。