第9章 再会(2年後編)
『さぁて、どこに行けばいいんだ〜。』
シャボンディ諸島の土地勘は未だに把握できていなくて、うーんと悩む。そういえば、2年前にレイリーさんにビブルカードを貰ったっけ。
ガサゴソとバックの中を探しソレを見つける。
手に乗せると、ズズズと前方に動いた。
『これを辿ればレイリーさんの元に着くってことね。』
私はビブルカードの導きに従い歩き出す。
レイリーさんの元に着いたら、誰かに会えるだろうか。
いや、流石に1週間前じゃ誰もいないかなぁ。
とにかく着いたら分かるか、と私は歩みを進めた。
--------------------
「元気そうで良かったよ。」
私が辿り着いたのはシャッキーさんのお店で、そこにレイリーさんが居て、私に笑いかけながら言った。
『レイリーさんたちもお元気そうで何よりです!』
「随分と髪が短くなったし・・・顔つきも大人っぽくなったんじゃない?」
『え!そうですかね?』
シャッキーさんに言われた大人っぽいという言葉が何だか嬉しくて私は照れたように言葉を返した。
髪の毛は1年前に切った時から同じくらいの長さを維持してる。
自分ではわからないけれど、顔つきは大人っぽくなったらしい。
少しでも自分が成長出来ているんじゃないかと、ちょっぴり嬉しさを感じた。
『やっぱり、私が1番最初ですか・・・?』
私が聞くと、シャッキーさんは首を横に振った。
「3日前にフランキーちゃんが着いて船にいるわ。それよりも前に、1番初めにゾロちゃんが着いてるわよ。今はどこにいるのかわからないけど。」
フランキーとゾロがもう着いてるんだ!
早く会いたいとウズウズしてくる。
「そういえば、これは君の絵かな?」
レイリーさんがドンッと出したのは、1年以上前に私が描いた絵だった。
『それ、私が描いた絵・・・!』
「なんだか、懐かしいような気がしてね・・・そんなに値も張らなかったので買ってみたんだ。」
その絵は、叔父さんとリノスと私が一緒にいるところを想像しながら描いたものだった。
きっとレイリーさんは、叔父さんを彷彿させたんだ。
自分の描いたものが少しでも誰かの心に届いたということが、とても嬉しくて仕方がなかった。