第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
昼になり、再び私はあの風景を絵に留めようと支度をし宿を出ようとした。
「ちょっと待ちな、お嬢ちゃん。」
『・・・?』
突如、宿の主に呼び止められドアに手をかけながら振り返る。
「アクア・ラグナのことは知っているのかい?」
『いえ、聞いたことがありません。』
海王類か何かの名前?
それともウォーターセブンの名産品か何か?
「アクア・ラグナは高潮のことだ。今夜のうちにそれが到着する。高台か他の街にでも避難した方が良いぞ。」
『なるほど、ご忠告ありがとうございます。』
私はペコリと頭を下げて宿屋を出る。
1番ドックへ向かいながら避難方法を考え始めた。
高台に逃げる方が圧倒的に楽ではあるが、あの列車にも乗ってみたいし、何より他の街も見てみたい。
だが、私には船がない。
つまり他の街に行くには船以外の方法が必要なのだ。
そうなると、ルフィたちといた時に見た列車が唯一の方法か。
だけど・・・あれ乗るのにいくらかかるの??
私は今、絶望的に金がない。
創造で財宝でも作って換金してしまえばお金はいくらでも作れるが、生憎財宝はパーツ的に寿命の消耗が激しい上に下手な材料で作れば見破られてしまう。それなりの材料が必要なのだ、そんなもんはない。
まぁ、どっちにしろ詰んでいる。
『はぁ・・・。』
ウォーターセブンに来て、何度目のため息だろうか。
船は買えないし列車に乗れるかすらも危うい・・・。
『お金って大事だわ。』