第8章 芸術家たちの島
ルフィのメッセージの意味は「3日後に集合ではなく、2年後に集合」という意味だった。
私たちはもっと強くなる必要がある。
それはシャボンディでの出来事で分かり尽くしていることであった。
「うーん、なるほど。事情はわかった。勿論、私たちは君がここに居てくれることを大いに歓迎する。だけれど、一つ条件がある。」
『な、何でしょうか。』
どうしよう、何か無理難題を押し付けられてしまったら。
「私たちは絵を売って、そのお金で生活をしているわけだ。つまり、ここにいる限り君にも絵を売ってもらいたい。」
『え!そんなことでしたらいくらでも!!』
元々、一味に入る前の私は絵を売って生計を立てていたわけだ。
そんな事は造作もない。
「楽勝だと思っているかな?世の中そんなに甘くはないぞ!アルテ島から出す芸術品は売れるものでなくては困る!ここ数日の君の絵は見させて貰ったが・・・技術が足りない!!」
『ひ、ひいいい!』
流石に島の長とだけあって言うことが手厳しい。
「と、まあ厳しく言ったが心配するな。私がしっかり絵の基礎を教えよう。アーティルスのやつ、全く基礎を教えなかったようだな。」
カラルさんは、叔父さんにふんっと怒りながらも私にはセンスはあると褒めてくれた。
確かに叔父さんには「描きたいように描け!」としか言われなかったし、教え方も感覚的だったような気がする。
これだから天才は困るんだ。
「君は両親やアーティルスが使っていた家を使うと良い。そのまま残してあるんだ。まぁ、随分使っていなかったから埃っぽいとは思うけどね。」
カラルさんは、ガサゴソと戸棚の中を探し、それから一つの鍵を見つけて私に渡した。
それから、家を出て私について来るように言った。
少し村を離れたところにポツンと立っている家がどうやら私の両親や叔父さんの住んでいた家のようだった。
「絵の勉強は明日から始めるとしよう、私の家を訪ねると良い。」
カラルさんはそう言って私に手を振り村へ戻っていった。
私はというと、扉に鍵を挿して家へと入った。