第7章 また会える日まで (シャボンディ諸島編)
『ど、どうして!?』
私の左手は能力無効化の筈だ。
それなのに、能力が効かなかった?
「懸賞金4500万 "銀色の魔女"か。その左手で能力を無効にしようとしたんでしょ?少しも今まで能力を磨いてこなかったツケがここで出たねぇ。力の差が余りにもある場合は発動しないんじゃない?」
黄猿に言われ、自身の無力さを思い知る。
自分の能力にあぐらをかいていた、強さなんて求めなかった、その代償が今この私の力不足を物語っている。
『ぎゃっ!』
黄猿の蹴りをくらい、私はゴロゴロと地面を転がった。
ロビンがゾロを移動させようとしていたが、それも黄猿に阻止される。
『ゾロ!!』
もうダメだと絶望しかけたその瞬間、レイリーさんが現れ黄猿のビームを蹴りでゾロから逸らした。
「あんたの出る幕かい、冥王レイリー。」
「若い目を摘むんじゃない、これから始まるのだよ!彼らの時代は!」
レイリーさんの登場に、ルフィは「おっさーん!」と声を上げた。
私はゼイゼイと息をしながらゆっくりと立ち上がった。
蹴り一つで息が上がるなんて、私もまた随分と傷が治っていなく弱っているらしい。
「ウソップ、ブルック、クレア!ゾロを連れて逃げろ〜!」
遠くからルフィの叫ぶ声が聞こえた。
「行くぞ、ブルック!クレア!」
それを受けウソップがゾロを抱え私とブルックを呼ぶ。私たちは返事をしてウソップの後に駆け出した。
「全員逃げることだけ考えろ!今の俺たちじゃあ、こいつらには勝てねェ!!」
それは正に船長命令だった。
これより優先されるべきことはない。
逃げて生き延びることが何よりも優先すべきことなのだ。
「うわっ!眩しい!」
近くが明るくなり、どうやら黄猿が何かを仕掛けてくるようだった。しかし、レイリーさんがそれを防ぎ黄猿と戦い始めるのが横目に見えた。
「またおっさんに救われた。」
「コココ恐かった〜!」
『レイリーさんが止めてくれてる間に逃げなくちゃ!』
私たちは全速力で走りを続ける。
「おろせ、お前らを逃す・・・。」
「バカ言うな!今のお前なんか俺より役に立たねェよ!一緒に逃げるんだ!ルフィがそう判断したんだ!」
ゾロの言葉にウソップがキツい口調で言い返した。
「ギャー!来たー!」
後ろからPX-1が私たちに追いついていた。