第7章 また会える日まで (シャボンディ諸島編)
はぁはぁ・・・と全員が息を切らしていた。
見たところくまは止まっていてこれ以上動く気配はない。
いや、見た目は今にも動き出しそうだが。
とにかく、これ以上の戦闘はもうみんな無理だという程に疲弊していた。私だって予想外にオークション会場でも使った所為で弾の残量が少ない。
「まったくてめェら、やってくれるぜ!」
突如聞こえた声にみんながキョロキョロと辺りを見渡す。
「上だ、上!」
チョッパーが気付いて声を上げたため、上に注目すると人がひゅうううと落ちてきていた。
「ほいさっ!」
声と共に降りてきた人影は2人だった。
「オイオイ、なんて無様な姿だ"PX-4"。てめぇら"パシフィスタ"を1人造るために軍艦一隻分の費用を投入してんだぜ!全く、あのパンク野郎に何て報告すりゃ良いんだよ。」
「うわ〜!またいるぞ七武海!!」
「も、もしかして、あれが本物か!?」
見えたのは再びくまと鉞を持った男だった。
そして現れたくまにチョッパーとウソップは驚きの声を上げた。
今、パシフィスタと・・・それが複数のくまの名前?
それに造ったって・・・複数のくまたちは、一から造られた何かだっていうの?
「てめぇは何者だ鉞ィ!?」
「・・・人を武器の名前で呼びやがって。」
フランキーの言葉に鉞の男は不服そうに答えた。
自身を世界一ガードが硬い男で質問には答えない!と豪語したその男は、名前を尋ねられたらあっさりと「世界一口の固い男 戦桃丸」だと名乗った。
「始めるぞ、"PX-1"」
戦桃丸の言葉を合図に、"くま"もとい"PX-1"はビームを発射してくる。
「あいつも掌にビームだ、肉球じゃねェ!考えたくねェが3人目ってわけだ!どうなってんだ!?」
「今はその謎より身の安全だ。もう一戦やりゃ必ず重傷者が出るぞ!"大将"に会う前に!」
「あぁ、ここは逃げよう!」
サンジ、ゾロ、ルフィの順に言葉を発する。
そして、最終的な結論をルフィが述べた。
「一緒じゃダメだ!バラバラに逃げるぞ!!」
その声を皮切りに麦わらの一味は分かれて逃げるため走り出した。