第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
私は、再び街へと戻り同じ場所へ腰をかける。
しかし、既に日は暮れ始めていて先程書きたいと感じていた風景とは随分変わってしまっていた。
今この風景を書くべきか。
いや、せっかく戻ってきたのだし書こう。
そう決意しても全くやる気が出てこなかった。
結論、気分の乗らないものを書いても意味がない。
私は広げたスケッチブックと手に持っていた筆をリュックにしまった。
今日は宿にでも泊まってまた明日の昼に来て書いたら良い、と考え私は中心街の宿屋へと向かった。
宿屋は予想以上に安かった。
勿論、高そうなところもあったけれど私はお金があまりないので安そうなところを探した。
見るからに安そうなところは虫でも湧きそうで嫌だったので、現地の人にどこが良いのかを聞きながら良い宿を探した。
そして行き着いたのが、中心街の路地を入った宿屋。
路地にあり隠れているので中々観光客が気付きにくいと穴場の宿屋だという。
内装もとても綺麗で高そうに見えるが、一般の宿屋より安価だった。
ありがたいものだ。