第7章 また会える日まで (シャボンディ諸島編)
「魚人よ、気持ち悪いッ!」
人々は、はっちんに酷い言葉を投げかけている。
ルフィは相変わらず止まらないし、会場内は大混乱だった。
「ロビンの言った通りだ、この島では魚人族と人魚族が「差別」を受けてるって・・・。」
隣でナミが言う言葉に、周囲のはっちんへの対応が納得いった。
奴隷制に差別・・・この島への胸糞悪さが止まらない。
ドン!ドォン!
鳴り響く銃声と悲鳴を皮切りに一瞬だけ静まり返った。
何が起きたのか理解できずにいたが、ハチが血を流して倒れていることとシャボンで出来たヘルメットのようなものを被った男が銃を持っていること、それだけでハチがそいつに撃たれたのだと把握することができた。
「むふふん、むふーん、むふーん♪当たったえ〜っ!魚人を仕留めたえ〜っ!」
その男は小躍りをしながら、ハチに弾が当たったことに喜びの声をあげていた。
「ハチ!」
ナミがハチの名を呼ぶ。
私は今すぐ奴を蜂の巣にしてやりたかった。先ほどの戦闘で使っていたアサルトライフルをマシンガンに変え、奴に向けようとするがそれをナミに止められる。
「ダメよ、クレア。」
『どうして!?』
「あいつは世界貴族・・・天竜人なのよ。」
天竜人・・・あれが?
あんなクソみたいなやつに好き勝手させ守る海軍とは一体なんなのだろうか。
周りの奴らは、はっちんが撃たれたことに喜びの声をあげ、また蔑む言葉を口にしていた。近くの奴をギロリと睨むと、そいつは私の持つ銃を見てキュッと口を噤んだ。
銃に怯えて盾もつけないような者たちだ、なんて情けないのだろう。自分より下の者にしか強く出られないような奴らにはっちんが蔑まれる義理などない。
そしてはっちんを打ったクズは、タコがタダで手に入ったと喜びの声をあげていた。それに対してルフィは顔を怒りで歪ませながら天竜人に向かっていく。
「待って、くれ、麦わら・・・!」
はっちんがそれをガバッと掴んだ。
「ダメだ、怒るな・・・ハァ、俺が、ドジったんだよ・・・目の前で誰かが撃たれても、天竜人には逆らわねェって・・・約束しただろ・・・。」
息も絶え絶えに言うはっちんを、私たちはジッと見ていた。