第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)
今まで、ゾロは私に厳しい冷徹な一面ばかりを見せていた。
だからこそ、素直な彼に新鮮だと感じてしまった。
そして、何だか可愛いなぁ・・・とも。
私は船内へと入りスケッチブックを探し出す。
『どこだー、私のスケッチブックー。』
キョロキョロと辺りを見回すと、無造作に床に落ちているのを見つけた。
私はバッと近寄りそれをすぐさま拾い上げる。
それから、スケッチブックの全体を注意深く見た。
『傷!は・・・ない。』
幸いどこも折れておらず傷も付いていなかった。
安堵して私は、フーッと1つ息を吐いた。
あぁ、良かったとスケッチブックを抱きしめた瞬間、外からギィン!と大きな音がなかった。
何事か、と私は慌てて船外へ出る。
目の前に映った光景は、剣を持った男がゾロに斬りかかっていて、それをゾロが受け止めているところ。
「誰だテメェら・・・名乗れ。」
ゾロが威圧する。
すると、男はゾロから離れた。
「名乗れって。えェ・・・?"海賊狩りのゾロ"・・・!!」
「!」
「おれ達ァ賞金稼ぎ、泣く子も黙る!"フランキー一家"だ!!てめぇの首の"6千万"ありがたく頂くぜ!!」
え、ゾロって賞金首なの・・・しかも6千万!?!?
もしかしてルフィたちってとんでもない海賊なの・・・?
私、世事に疎すぎて全然新聞とか読まないから全く知らなかった、それに全然悪い海賊って感じじゃなかったし。
でも、実は物凄い悪いことをしていたってことなの!?
私ったら知らない間にそんな人たちの船に乗っていたなんて!
いえ、でももう出会うことなんてない。
賞金首になって世界政府に追われるなんて言語道断、今まで上手く隠して生きてきたっていうのに、全て水の泡になる。
そんなことを悶々と考えているうちにゾロは彼らを吹き飛ばしていた。