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【ONE PIECE】今日も剣士に愛される

第2章 私に出来ること (ウォーターセブン編)




岬にあるメリー号に辿り着いた。
特に声は聞こえない、みんな出かけたのだろうか。

そう思いながら静かに船へ近づき乗り込む。
船の端に緑色が見えた。

ゾロだ。

初めて話した時のようにすぐに気づかれるかと体を強張らせたが、そうではないようだ。
あの時、厳しく冷徹な視線を向けられてからどうも苦手意識が拭えない。

ルフィがスケッチブックで見せていたのが階段のあたり、ということはその辺りにあるはず。
だけれど、その場所はゾロのすぐ近く。

起こしてしまいそうだ。

起こさないように細心の注意を払って、そろりそろりと近づく。
しかし、ちょうど横に来たところでゾロの目がパチリと開いたのを私は見過ごさなかった。

動きが止まる。

「戻ってきたのか。」

そう声をかけられ、私の気遣いはなんだったのだろうと馬鹿らしくなった。

『ルフィに貸してたスケッチブックを取りに来ただけ。』

私がそう答えると、ゾロは何かを思ったのか2,3秒考える素ぶりをする。
それから合点がいったのかこちらをじっと見て口を開いた。

「落ちてたから部屋に放り投げた。」
『はぁあああ??』

私の苛立ちを含む声にゾロは驚いたようでビクリとした。

普通、人のもの放り投げます??
静かに置いておいてくれれば良いじゃない。

『ちょっと、折れてないでしょうね!』
「大丈夫、だと、思う。」

私がジリジリと詰め寄るので、ゾロは顔を引きつらせながら曖昧に答えた。

『もうっ!』

だと思うって何よ!!!

私が憤慨していると「すまん」と小さく声が聞こえた。
ちらりとゾロを見ると再び目を閉じていて、すぐにガーっと寝息が聞こえた。

『・・・もう寝てるのね。』

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