第7章 また会える日まで (シャボンディ諸島編)
その島はシャボン玉がふわふわと浮かんでいて、それが一体どういう原理なのかはわからなかったが綺麗だと感じさせた。
『凄い、シャボン玉でいっぱいだ。』
ケイミー曰く、それは島から発生しているのだと言う。
それを聞いて尚更、島がシャボン玉を生むとはどういうことなのかと疑問に思った。
「"記録指針(ログポース)"は大丈夫?」
ロビンが話を割り問いかけた。
そうだ、島に上陸してしまったら記録が書き換えられてしまう可能性がある。
しかし、そんな心配と裏腹にはっちんは心配ないと首を振った。
「シャボンディ諸島は"樹"の集まりで磁力はないからな。」
「ありゃ、島じゃねぇのか!?」
「マングローブっていう樹を知ってるか?」
サンジの言葉にはっちんが問いかける。
マングローブとは、海の干満により根が水上に出たり引っ込んだりする樹のことだ。
「シャボンディ諸島は根っこが海上に出っぱなしになってる、世界一巨大なマングローブ"ヤルキマン・マングローブ"という樹の集まり。樹は全部で79本、その一本一本に施設があって、それを79の島から成る"シャボンディ諸島"と呼ぶ。"新世界"へ行こうとする航海者たちが集う島だ。」
はっちんの説明を受けてから島をジッと見つめる。
言われればマングローブの根が見えてそれが樹なのだと実感させられる。
よく見ると番号が書いてある、44番だ。
はっちんは、44番GR(グローブ)は民間の入り口だから奥へ行こうと提案した。そのため船はまだ奥へ進んでいく。
それから、新世界へ突入しようとしている他の航海者たちに想いを馳せた。きっと強い人たちがたくさんいて、もっと熾烈な争いが生まれるかもしれない・・・その中に奴ら「ベトレイ海賊団」もいるのかもしれないと考えると、少しだけ先に進むのが怖くなる。
「樹もまたでっけ〜な〜、シマシマだ!アメみてェ!」
そのルフィの声を聞いて、何だかバカらしくなってクスリと笑った。まだ見ぬものに恐れるより今を楽しんだ方がいい。
当の船長がこの調子なのだから。
「何難しい顔してんだ、ルフィと一緒で食べてェとでも思ってたのか。」
『思ってない!』
いつもの調子でゾロが私をからかってくる。
あぁ、ホントに悩んでいるのがバカらしい。
みんながいるから、大丈夫に決まってる。