第7章 また会える日まで (シャボンディ諸島編)
コポコポとお茶を入れる音が聞こえる。
「どうぞ、クレアちゃん。」
『ありがとう、サンジ』
サンジが食後のお茶をみんなに配り歩いていて、私はそれを受け取って一口飲んだ。
『はぁ・・・もう何も食べれない。私、夜ご飯は絶対に入らないと思うんだ。』
「サンジの料理食べ損ねるのは勿体ないわよ。」
『そうなんだけどね〜。』
ナミの言葉に再び私はため息をついた。
サンジの美味しいご飯は食べたいけれど、どう考えてもお腹に入りそうにはない。
『食べすぎてお腹痛い気がしてきた。』
私はゴロリと甲板に横たわる。
チョッパーに薬でも貰おうかと思ったが、チョッパーはルフィの面倒で手一杯そうだ。
食べすぎは禁物だ・・・と反省していると、ドンッと足元が誰かに蹴られた。
『いたっ!』
「あぁ、すまねェ、眠くて見えなかった。」
ゾロが眠そうにしながら私に謝る。
「何でこんなところで寝たんだよ。」
『食べすぎてお腹痛い気がしてきたの。』
「あんなにバクバク食べるからだろ、アホ。」
ゾロはそう吐き捨ててヨロヨロと歩いて階段脇にドサリと座った。
ゾロはとにかく口が悪い、と最近感じて仕方がない。
近くでケイミーたちの話し声が聞こえる。
次の行き先はシャボンディ諸島というところだった。一旦寄り道しないと魚人島へは行けないらしい。
人間は水圧で圧死してしまうとのことだった。
「よーし、注目!おめェら何も知らねェみてェだから、この辺の海のこと一通り教えてやろう・・・誰がだって?おれだよー!」
パッパグが船の手すりに上り意気揚々と言うのを、私は相変わらず横になりながら眺めていた。
パッパグの説明によると、新世界に渡るルートは2本あるが私たちのような海賊は1つしか道がないとのことだった。
1つは世界政府に願い出て、レッドラインの頂にある「聖地マリージョア」を横切る。私たちに通行の許可など出るわけがない。
また、船は乗り捨てて新世界で新しく船を見つけるようだ。これにはフランキーが大声を上げて怒りを露わにしていた。
メリー号の一件もあるし、この船はフランキーの渾身の船だ。乗り捨てるなどあり得ない。
そして、もう一つのルートというのが船がそのままの魚人島経由の「海底ルート」だ。