第6章 海の上での賑やかな日々
「このやろ!」
トビウオがこちらに突撃してくる。
私はアサルトライフルを構え、トビウオの羽を狙ってズガガガガ!と撃ち込む。
飛べないようにして墜落させてしまえばこちらのものだ。
「フランキー、船を足場に着けよう!海のど真ん中じゃ、やっぱあっちの方が有利に動ける!」
「それが得意とわかってやってんだろうよ、現に船を動かす暇も与えちゃくれねェ!」
横でウソップとフランキーが言葉を交わしていた。
実際に数の暴力で誰にも暇がない、倒しても倒しても湧いて出てくる。
「ヴォオオオオ!!」
雄叫びが聞こえてそちらを見ると、大きな牛が現れた。
そしてその上に乗る人がペラペラと話を始める。
ケイミーたちを捕まえるのかと思いきや、全く手を出さない。
「めでてェ日だ、今日は。殺したくて殺したくて、夢に見たその男が・・・。」
「アイツ、こっち見て喋ってねェか?」
ウソップの指摘通り、男はこちらを見て話していた。
この男はヘッドと呼ばれているため、恐らくデュバルだろう。
部下の人たちが呼んでいた。
「海賊"黒足のサンジ"!」
「俺!?」
デュバルのご指名はどうやらサンジのようだった。
「サンジ、アイツ誰だ。お前なんか恨まれてんじゃねェか!」
「レストラン時代じゃない?良く思い出して!」
フランキーとナミの言葉にサンジは首を傾ける。
「・・・そんな前の話なら・・・まぁあの時代は人の恨みを買うことばっかりやってたから。」
そう呟きながらサンジは指折り恨まれたと心当たりのあることを数えている。
「討たれろ、自業自得だ。」
「おれ達に迷惑かけんな、アイツこえーぞ。」
『サンジ、悪いことしたんなら素直にやられた方が良いよ。』
ウソップとチョッパーと私はサンジにそう声をかける。
薄情だと思えばいいさ。
とばっちりでこんな面倒なことになってるのなら全ては恨みを買ったサンジのせいだ、うん。
「すっとぼけてんじゃねェ、"黒足"!ごく最近の話だ!」
デュバルはそう怒声をあげながら攻撃を放ってきた。
「危ねェ伏せろ!銛だ!」
その声に私たちは頭を下げる。
攻撃は回避するが銛からは何か煙のようなものが立っているのが見えた。
どうやら、サソリの毒の銛らしい、これはヤバい。