第6章 海の上での賑やかな日々
『やっと出来た!』
目の前の完成した染料に私は笑みを浮かべた。
その笑みは側から見たらとても満足気だろう。
まぁ、満足気ではなく満足しているのだが。
「完成したの?綺麗な色ね。」
ロビンが横から染料を覗き込む。
その染料を見て、ニコリと笑みを浮かべながら私に言った。
『うん、これを使うのが楽しみ!』
染料は作るのが大変だが、その分出来上がると嬉しくなり使うのが楽しみになる。
「ん?なんか見えるぞ!!」
ウソップが声をあげた。
一体なんだ、と前方を見ると確かに何か大きなものが聳え立っているのが見える。
一味の全員がその聳え立つものをジッと見ていた。
「来た・・・とうとう来たんだ!ここまで!」
ルフィが歓喜の声をあげた。
「何だか"懐かしい"様な・・・感慨深いわね。」
「あの日は・・・酷い嵐だったっけなぁ。」
「あれからちったァ成長したかね、俺たちは。」
ルフィに続いてナミ、サンジ、ゾロがそう言った。
「てっぺんが見えねェ・・・でっけ〜!これが!"赤い大陸(レッドライン)"!!」
チョッパーがその大きさに驚きを隠せないまま叫んだ。
私自身も驚いている。
以前超えた時は船内で過ごしたため、実際に目にしたのはこれが初めてだった。超えた時なんて何年も前で、赤い大陸を超えたなんて感覚は正直少しもない。
フランキーは30年以上前、ロビンは5年前に超えたらしい。
「世界をもう半周した場所でこの壁はもう一度見ることになる・・・その時おれは海賊王だ!」
ししししっと笑うルフィ、もう一度家の壁を見る時にも同じように笑っていて欲しい。
そしてその時、私は叔父さんの絵を見つけられているだろうか。
仲間として役に立ててるのだろうか。
こうして全員で一緒に居られるのだろうか。
そんな不安が頭をよぎってしまっていた。