第6章 海の上での賑やかな日々
外に出ると、ちょうどゾロがトレーニングルームから降りてきたところだった。
「こんな時間まで何してんだ。」
『スリラーバークの絵を忘れる前に描きたくて、気分転換に外に出てきたの。ゾロは・・・もしかしてずっとトレーニングしてたの?』
「あぁ。」
ゾロは相変わらず上裸で汗をびっしょりとかいている。
私は部屋に戻りタオルを取ってきて、「はい」と渡した。
ゾロはそれを受け取り汗を拭いていく。
『いい加減、チョッパーに怒られるよ?』
「まだまだ足りねェくらいだ。」
私は「あっそ。」と素っ気なく言い、海を眺める。
どうせ何言ったってこの人は聞かないんだから。
「お前は、いっつも夜遅くまで起きてるな。」
『元々夜型なの、夜が1番集中して絵を描けるから。だけど、この船に乗ってからは夜中には寝るようにしてる。朝みんなとご飯を食べて、それから冒険を楽しみたいから。』
1人で旅をしていた時は、朝日が昇る頃まで絵を描いて、それから昼間まで寝る生活だった。
『ゾロも夜はいっつも起きてるよね。』
「だから昼に寝てるだろ。」
ゾロはいっつも甲板などで昼寝をしている。
見張りをしていることは勿論知っていたけれど、この感じだと朝までトレーニングをしているのだろうなと感じる。
『昨日、いつでも気分転換に付き合ってくれるって言ったでしょ?』
「あぁ。」
『じゃあ、ゾロがルフィと出会った時からどんな冒険をしたか教えて。こうやって気分転換をする度に、少しずつ。』
一緒に冒険をしているのに、仲間たちがどんな航海をしてきたのか知らないのはイヤだ。
だから、私は知りたい、ルフィたちの今までの冒険を。
「そうだな・・・俺が出会った時、俺は磔にされていて・・・。」
それから少しだけ、ゾロとルフィの出会いの話を聞いて、再び絵を描きに戻った。