第6章 海の上での賑やかな日々
2日目の昼
あんなに天気が良かったというのに曇り始める。
『ナミ、雲行きが怪しいよ。』
「そんな兆候無かったけど・・・やっぱり"偉大なる航路"は急に天気が変わるわね。」
コツン、と何かが落ちてくる。
雨にしては硬くて・・・え?
『飴・・・?』
私が足元を見ると飴玉が転がっていた。
「何か降ってきた!」
ガガガガン!と空から猛烈に降り注いでくる。
「雨!?」
「雨じゃねェ、"飴玉"だァ!」
天気というよりこれは異常な出来事だ。
だけど、ここは"偉大なる航路"。何も不思議なことではない。
「いてて!うわ、甘くて・・・うめェ〜!」
ルフィは落ちてくる飴玉を口に含む。
私も一つキャッチして食べてみると、とても美味しくて思わず笑みがこぼれる。だけれど、ガンガンと身体に当たるので痛い。
そもそも身体が痛いというのに・・・尚のこと痛い。
「いてェよ、なんで雨が!?」
一人で旅をしていた時も異常な天候など不思議なことはあったが・・・飴玉に降られたのは初めてだ。
チョッパーが袋を広げて飴玉を集めている。
あぁ、とても可愛い。
私も室内から袋を取ってきて、"チョッパーの飴玉集め"を手伝う。
『いっぱい集めとこ、チョッパー!』
「こんなにあったら一生困らないぞ!」
チョッパーは目を輝かせながら、飴玉をひたすらに集めて、たまに口に入れては幸せそうな顔をした。
あとで、創造でペロペロキャンディでも作ってあげよう。
若しくはわたあめだ、材料的にうまくいくだろう。
『見てロビン!こんなに取れたよ!』
船内からこちらの様子を見るロビンに、私は袋いっぱいの飴玉を見せる。
ロビンはニコリと笑いかけてきた。
「うふふ、そんなに食べたら虫歯になるわね。」
「『む、虫歯!』」
ロビンのその言葉に私たちは戦慄する。
虫歯はイヤ!
それから少しして飴玉の雨は止んだ。
私とチョッパーは虫歯の恐怖に打ち勝ち、大量の飴をGetすることに成功したのだった。