第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
パチリと目が開いた。
「起きたか。」
『ゾロ・・・おはよう。』
ゾロが元気そうで私は安心する。
『うぐっ・・・。』
私は身体を起こそうとするが、尋常じゃない痛みに起こすことが出来なかった。
「寝てろ。」
ゾロが一言そう言って、静かに私の横についていた。
『・・・大丈夫なの?』
「あぁ、問題ない・・・少し寝過ぎたがな。」
ゾロから直接大丈夫だと聞くとホッとする。
大丈夫じゃないのは私の方か・・・。
周りではみんなが忙しそうに動いていた。
「お前がいつ目を覚ますかわかんねェから、出航の準備だけはしておこうってことになってな。予想より随分早く目が覚めたみてェで良かった。」
ゾロは頬杖をついてフッと微笑を浮かべる。
「耐えるって言っただろ、これで俺を信じる気にはなったか?」
『・・・うん。』
そうは言っても、これだけ無茶されたら信じたいけど怖くもなる。
「おい、何だ今の間は。」
『い、いひゃいよ。』
ゾロは私の頰をムニッとつねる。
私は痛くて訴えると手を離してくれるので、ムッと頰を膨らませてゾロを睨んだ。
「まぁ、ともかくお前も無事で良かった。」
『心配かけてごめんね。』
ゾロはジッと私を見てから視線を外して立ち上がった。
「クレア!大丈夫なのかっ!?」
ゾロと入れ替わるようにチョッパーが顔を出す。
『目は覚めたけど、身体は動かないんだ。』
「サンジから聞いたぞ、能力の代償だって・・・倍の痛みがどういった原理でクレアに蓄積されてるのか、おれにもわからないが、きっと安静にしてれば動けるようになるよ。」
チョッパーが私の頭をポスポスと撫でて、その場を離れる。
「クレアちゃ〜ん!大丈夫かいっ!?」
「目が覚めたのね、クレア!」
今度はサンジとナミが来てくれた。
どんどんみんなが来てくれて、とても嬉しくなる。
『サンジ、ナミ、心配かけてごめんね。』
「サンジくんが2人を担いで来た時は驚いたわ。」
私が倒れてしまったから、ゾロも私も運ばなければならなくなったのか。
『ありがとう、サンジ。いっつも助けて貰ってばっかり。』
「女性を助けるのが俺の使命だからね。」
キリッと格好つけるサンジに、私は「ハハハ」苦笑いするしかなかった。