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【ONE PIECE】今日も剣士に愛される

第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)




叫び声が止んで静かになってしばらく経った。
だけれど、私はゾロの方を見るのが怖くて一度も振り返っていない。

どれだけの傷の量なのか、生きているのか死んでいるのか。

『ひっぐ、うぐっ。』

怖くて仕方がなくて、涙がずっと零れてくる。

ザッと前方で音がした。

「いた!おどかしやがって・・・オイ!あの七武海はどこに・・・。」

そうサンジが言いかけたところで私と目が合う。

「クレアちゃん!何でそんなに泣いて・・・。」

サンジが目を見開き私に問いかけてくる。
それから何かを察したのかゾロに駆け寄った。

「何だ、その血の量は!オイ・・・、おめェ生きてんのか、アイツはどこだ!?ここで何があった!?」
「・・・なにも、なかった・・・!」

サンジの問いかけにゾロがそう答える。

ゾロは、一切をなかったことにする気なんだ。
私はそれを聞いて涙がピタリと止まった。

ゾロがそれだけの覚悟を持っているのに、私がビービー泣いてるワケにはいかない。

「何もねェワケがあるか!!」

サンジはこの状況を見て至極当たり前なことを言った。

私は木の陰から出て、目をゴシゴシと拭きながらゾロとサンジに近づいていく。
一面が血の海で、その中でゾロが血を流しながら腕を組んで毅然として立っていた。

「おい、クレアちゃん!何があったんだ!」

私はゾロと対面する。

『何もなかったんだよね、ゾロ。』

私がニコリと笑ってそう言うと、ゾロは私をジッと見てから安心したように力が抜けて私の方に倒れてきた。
私はそれをしっかりと受け止める。

「何もなかったって・・・。」

私まで口裏を合わせたら尚更何かあると思うだろう。

『サンジ、ゾロの右腕側を頼める?』
「あ、あぁ。」

私が左側を担ぎ、サンジが右側を担ぐ。

それから歩き出そうとした時に、ドクン!と心臓が鳴る。

『う、ぐ。』

私は心臓を押さえてヨロヨロと前方に2,3歩歩き地面に膝をつく。

「クレアちゃん!どうしたんだ!?」
『モリア戦の、時に・・・倍の痛みを代償に、能力で痛みを消した、から・・・代償が来たんだと、思う。』

私はゼェゼェとしながらサンジに言う。

『うぐ、ぐあっ!』

全身が痛み出して私は地面を転がる。

『あああああっ!』

遂に耐えきれなくなり、私はそのまま意識を手放した。

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