第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
「俺は"パシフィスタ"と呼ばれる、まだ未完成の政府の"人間兵器"」
Dr.ベガパンクという世界最大の頭脳を持つ男が開発者であるらしい。それに加えて能力持ちであるから絶望的だ。
「どうしても、ルフィの首を取っていくのか。」
「それが、最大の譲歩だ。」
そう暴君くまが回答すると、ゾロは「わかった、首はやるよ。」と言ってから座った状態で頭を下げた。
「ただし、身代わりの!この俺の命一つで勘弁してもらいてェ!」
「!」
『ゾロ!』
そんな、身代わりだなんて・・・誰も傷つかない道はないの!?
「まだ大して名のある首とは言えねェが、やがて世界一の大剣豪になる男の首と思えば取って不足はねェ筈だ!」
「・・・そんな野心がありながら、この男に代わってお前は死ねると言うのか。」
「そうするほか、今一味を救う手立てがねェ!船長一人守れねェで、てめェの野心もねェだろ。」
ゾロは顔を上げて暴君くまをキッと睨んだ。
「ルフィは、海賊王になる男だ。」
一味の全員がルフィのその夢の実現を信じている。
「待て待てクソヤロー。」
瓦礫を掻き分けてサンジも現れた。
「おめェが死んでどうすんだよ!てめェの野望はどうした・・・バカか!」
サンジは暴君くまにゾロより自分の命を取れた申し出る。
『サンジ!』
「おう、クレアちゃん。悪ィがみんなによろしく言っといてくれよ、コックならまた探してくれ。」
そう言うサンジの腹にゾロはドスッと刀の柄の部分で攻撃した。
「てめェ・・・。」
サンジはゾロの腕をグッと掴むが、すぐに力なく倒れた。
ゾロは全部を一人で背負いこむつもりなんだ。
『ダメ!!私が・・・私が身代わりになる!!!』
私が声を上げるとゾロと暴君くまがこちらを見た。