第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
「麦わら、オェ、てめェ・・・行ってみるが良い!本物の"悪夢"は"新世界"にある!」
モリアはそう言い残して、口から影を全て出した。
「影が戻るぞー!」
しかし、それと同時に光が差し込んだ。
『ゾロ!サンジ!ロビン!』
3人の顔にボッと火がついた。
みんながいなくなってしまう・・・お願い、影!早く!
「体が消滅していくー!」
3人の消滅は身体まで及んでいる。
ルフィも同様だった。
『どうして!?勝ったのに!!』
「間に合わなかったのかァ〜!」
フランキーが頭を抱えた。
ローラという影を奪われた人たちのリーダーもそのまわり人たちも消滅していく。
「勝ったじゃねェかよォ!畜生ー!!」
雄叫びが、スリラーバークに響いた。
しかし、突如目の前に消滅した部分が戻る。
影をなくしていない一味のみんなは突然のことに唖然とする。
「はっはっはっはっ、いやぁ・・・生きてたな見事に。」
ゾロが笑いながらそう言う。
ああ、良かった、無事だと嬉しくて泣きそうになる。
「一瞬、天に昇る気持ちだったわ。」
「それもいいな!ロビンちゃんとなら一緒に天に昇りたいぜ!」
ロビンの言葉にサンジが目をハートにして言った。
こっちの気も知らないで!!
「笑い事か!アホ共!本気で死んだかと思ったわ!頭すっ飛んでたんだぞ、おめェら!」
ウソップがごもっともなツッコミをする。
私は、良かったという気持ちが高まり、ダッとゾロに駆け寄ってギュッと抱きついた。
『バカ〜!!ホントに良かった〜!』
「お、おい。」
私がうわーん!と泣くとゾロは戸惑いながらも私の背中をポンポンと叩いた。
『消えないって、信じろって言ってたのに!バカ!』
「いや、でも生きてたじゃねェか。」
『そういう問題じゃないの!』
私がバッと離れてムッとしながら言うと、ゾロはどうしたら良いかわからないというように目を逸らした。
「すまん。」
そして、一言小さく呟いた。
「お、お、おい!てめェエエエ!なぁにクレアちゃんに抱きつかれてんだ!」
サンジがゾロに怒声を浴びせる。
「さぁ、クレアちゃん!俺の胸に!」
『ロビーン!』
私はサンジを華麗に無視してロビンに抱きつく。
それを見てゾロはサンジを鼻で笑った。
すまん、サンジ。