第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)
サンジがオーズに鎖を巻きつけ、ゾロがオーズの腹を開かせる。
そのタイミングでサンジが鎖を引いたことでオーズはピンと真っ直ぐになった。
チョッパー曰く、背筋がピンとなることで衝撃の逃げ場がなくなりダメージを全て受けてしまうらしい。
上空に飛んだルフィの腕が大きくなっている。
「特大のバズーカをくらえ!」
「そんなもん、バズーカで打ち返してやる!ゴムゴムの・・・動かねぇ!あれ、右腕が動かねェ〜!」
ルフィの言葉にオーズが返そうとするがそれは叶わなかった。
今まで私たちが散々腕にダメージを負わせた結果だ。
「ダメージに気づかないのはゾンビの弱点ね。」
ロビンの言うこと、まさにそれだ。
「てめェの敵だ、ケジメをつけろ、ルフィ。」
ゾロなりの声援を送る。
「ゴムゴムのォ・・・。」
『いけ、ルフィー!』
私は、ありったけにルフィ向かって叫んだ。
「"ギガントバズーカ"!!」
ルフィがオーズの頭に攻撃を与えると、バキボキバキとオーズの背骨が折れる音がした。
オーズな敗北を目にした我々は「やったー!!」と叫ばずにはいられなかった。
ルフィは手を巨大化した反動で小さくなっていて、オーズは「痛くねぇのに動かねェ・・・。」と喋っていた。
骨を粉砕したはずなのに意識がある・・・ゾンビ怖い。
私は走ってみんなの側にいこうとすると目の前にゾロが見えた。
『ゾロ!』
「お前、まだ元気なのか。」
私の力の代償のことを知っているゾロは、まだ能力が続いていることに驚いていた。
上空が明るく光り始める。
『朝日が出始めたんだ・・・ゾロ!絶対影から出ないで!じゃないと「狼狽えるな、クレア。」
私が焦るように言うと、ゾロが落ち着かせるような声音でそう言った。
どうして、海賊だから強くあらなきゃいけないとか、そういうこと?だけど、大事な人たちを・・・仲間を失うのは嫌だ。
『だけど、消えちゃったら何の意味も無いよ!』
「大丈夫だ、俺は消えやしねェ。」
真っ直ぐとした瞳に嘘の影はない。
ゾロは陽の光を恐れてはいないのか。
だけれど、どれだけゾロに覚悟があっても私はいなくなってしまうんじゃないかって怖くなる。
私が目に涙を浮かべているとゾロがそれを拭ってくれる。
「泣くな、信じろ。」
そう言われて、その瞳に見つめられて、私は頷くしかなかった。