• テキストサイズ

【ONE PIECE】今日も剣士に愛される

第5章 恐怖の島で過去は巡る (スリラーバーク編)




エリシエンさんの身体は継ぎ接ぎだらけでこれまた痛々しい。
きっと亡くなった後腐食が進んでいたのだろう。

「・・・私の使命はここで絵を描くことなのだよ、お嬢さん。」

ここにある絵はどれもこれも見たことがあるものだ。
エリシエンさん本人の絵からアーティルス叔父さんの絵、それ以外の名画も多数。

つまり、これは贋作。
エリシエンさんの影は贋作画家か。

『使命?贋作を描くことが?』
「・・・この肉体は感性が段違いでね、本物をも勝る贋作を描ける。」
『偽物が本物に勝てるわけがない。』

確かに、どの作品も絵のタッチから何まで素晴らしい。
それこそ、本物以上に。

だけれど、どれだけ凄くたって偽物は本物にはならないのだ。
本物はオリジナルで、それがなければ偽物だってない。

未だ見破られない複数のサインだって、見破られたとしても私にはそれが本物か偽物かなんてすぐわかる。

だって、叔父さんの描いたものは一つしかないのだから。

「だけれどね、お嬢さん。人々は本物と贋作の見分けがつかない。」

エリシエンさんは、絵を描く手を止めてこちらを見る。
それから首をひねった。

「はて、どこかで出会ったかな?」
『贋作画家と出会った覚えはない!!』

私は銃を構えてズガガガガ!と打ち込む。
所詮は贋作か、エリシエンさんは絵画を盾に銃弾を防ぎ、それから短刀を持つ。

それだけで違う、エリシエンさんの武器はそれじゃない。

『私の知る貴方は優しくていつだって陽気で、絵画をそんな風に扱ったりはしない!』
「さぁ、それは一体誰の話だろう。」

エリシエンさんがバッと近づいてきて短刀を振るう。
その素早さに私は驚きながらかわす。

それから、私は隙を見て銃弾を撃ち込む。
カンカンカン!

『なっ!』

エリシエンさんは、私の銃弾を全て弾いた。

「ここから直ぐに立ち去るなら見逃してやろう。」
『貴方がその身体から出て行ってくれるなら喜んで。』

私は申し出を拒否して再び銃を構えて戦闘態勢に入る。

「交渉決裂かな。」

エリシエンさんも剣を構えた。

/ 283ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp