貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】
第2章 眼鏡の奥 【二階堂大和】
『っ…んんっ!』
いきなり唇を奪われる。いつもより荒くて、強引なキス。
『っ…んっ…ふぅっ…んあっ』
「っ…ふっ」
後頭部を押さえられ、唇を離すことも、息を吸う事も出来ない。
『んんっ…っ…はぁ…』
いよいよ限界が来た所で大和さんの胸を叩くと、彼はやっと離してくれた。
「琴音、これくらいでへばってちゃ、この先保たないぞ?」
『へ…』
正直、もうあんなギリギリのキスは辞めてほしい。
…気持ち良かったけども。
すると、大和さんはまるで私の考えを見透かしたかのように、
「気持ちいい、でももう辞めてほしいって感じか?」
と言った。
『っ…!』
あまりにも的確な答えに私が喉を詰まらせていると、
「ふっ…図星?…気持ち良かったなら、いっぱいキスしてあげる…でも、あくまで「おしおき」だから」
そう言うと、大和さんは私の唇に一度触れるだけのキスを落とし、クローゼットへと向かって行った。
…さっき「おしおき」なんていう恐ろしい言葉が聞こえた気がする。
きっと気のせいだ、大和さんがクローゼットから濃い緑のネクタイを持ってこっちに帰って来てるのも気のせいだ。
『あの…大和さん?そのネクタイ、何にお使いになるんですか?』
きっと明日の準備だ。
もしくはネクタイは幻だ。
そんなはずは無いと分かっていながらも、そう信じるしかない。
が、当然のようにそんな訳も無く。
「んー?…「おしおき」に使うに決まってるじゃん」
ですよね。