貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】
第2章 眼鏡の奥 【二階堂大和】
「…どう?寝れそう?」
『あ、はい!大丈夫です…』
第一関門突破後、第二の関門。
大和さん全然寝ない。
私の心配をしてくれているらしい。
嬉しい。けどそうじゃない。それじゃ困る。
『あ…の、私の事は気にせず寝て下さい、大和さん明日もお仕事ですよね』
「明日は午後からだから大丈夫」
『でも…』
「そんなに心配なら琴音が寝て?そしたら俺も寝るから」
…第二関門、突破できそうに無いな。
鉄壁過ぎる。
…良し。
『…分かりました、おやすみなさい、大和さん』
「ああ、おやすみ、琴音」
大和さんが寝た頃に起きよう。
それしか無い。
多分起きれるでしょ。
根拠の無い自信を胸に、私は目を閉じた。
目を閉じると眠気は直ぐにやって来る物で、私は直ぐに眠ってしまった。
『…ん…いま、何時?』
枕元の時計を見やると、そこにはAM2:00の文字。
隣をそーっと見ると、
「すー……すー……」
と、規則正しい寝息を立てる大和さんが。
どうやら目標通りに起きれたらしい。
根拠の無い自信の大切さを感じつつ、私は大和さんの眼鏡にそろーっと手を伸ばした。
もう少しで眼鏡なしの大和さんが見れる、と気持ちが逸っていたのだろう、私は、大和さんに覆いかぶさるような形で眼鏡を取っていた。
ところが、あともう少し、もう少しと言った所で。
「何してんのー?琴音ちゃん?」
大和さんが、目覚めてしまった。