貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】
第4章 Happy Birthday 【十龍之介】
龍之介side
『良いんですか?…じゃあ開けますね…っ、わぁっ、かわいいっ!』
彼女はネックレスなどのアクセサリーはあまり着けない。
仕事に一生懸命な彼女は、気がつかない間にアクセサリーを汚したり、壊したり、なんなら無くしてしまうことが多いからだ。
だからシュシュやヘアピンなどの髪飾りセットにしてみた。
仕事中は琴音の綺麗な長い髪は邪魔になってしまうだろうし、汚れたり傷んだりしてしまうのは俺としても悲しいからだ。
もし髪飾りがほつれたり無くしたりしても彼女が気に病まないよう、高価な物にはせず、そこそこの値段の同じ物を複数個づつ買って来た。
デザインはじっくり考え、自分なりに彼女に似合うと思う物にした。色は俺のメンバーカラーだ。
このプレゼントなら、琴音がいつも身に着けていられると思った。
…実は、天や楽はもちろん、大和くんや百さん、千さんにもプレゼントについて相談した。
きっと俺一人では、彼女にこんなにぴったりの素敵なプレゼントには辿り着けなかっただろう。
俺は本当に周りの人に恵まれている。
「気にいってもらえたかな?…良かったら、毎日着けて欲しい」
『っ…、ありがとうございます…凄く、凄く嬉しいです!毎日使います!』
琴音は少し涙ぐみながらも、可愛らしい笑顔を浮かべてそう言ってくれた。
「良かった、そう言ってもらえると俺も嬉しいよ。…じゃあ、そろそろご飯食べようか、冷めちゃうし!」
俺がそう言うと、
ぐぅー…
とかわいい音が琴音のお腹から。
『うっ…、そ、そうですね、早く食べましょう!お腹空いちゃいました!』
少し恥ずかしそうにそう言うと、琴音はさぁっ…と荷物を置きに行ってしまった。
「あは、あははははっ!」
思わず笑ってしまったが、琴音には聞こえていなかったようだ。