貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】
第4章 Happy Birthday 【十龍之介】
琴音side
「ああっ、ほら泣かないで、プレゼントとか、料理とか準備してるんだよ?」
『ううっ…もっと泣いちゃいますから…龍之介さん、…大好きです』
なんて優しく、かっこいい人なんだろう。
「ふふっ、ありがとう。…俺は君の事、愛してるよ」
こんな人に愛されて、私はなんて幸せなんだろう。
『…私も愛してますっ!』
私がそう言うと、龍之介さんは少し驚いた表情をして、それからふにゃりと笑い、
「ほら、リビング行こう?運んであげるよ!」
と言って、私を軽々横抱きにした。
『ひゃあっ!高い!怖い!』
そういうムードの時は考える事も出来なかったが、身長190cmから繰り出される横抱きは心臓に悪い。主に怖い、と言う意味で。恐怖で涙も引っ込んでしまった。
しかも大股でずんずん進むので、体感でのスピードが結構速い。
まあ、リビングまでそんなに距離がある訳でも無く。
「さぁっ、ついたよ!…どうかな?」
程なくして龍之介さんが、ゆっくりと私を降ろす。
こわごわと顔をあげると、
『へ…凄い』
そこには、美味しそうな料理とラッピングされた袋が置いてある飾り付けられたリビングがあった。
思わず言葉を失う私に、少し不安そうな龍之介さんは、
「…喜んでくれたかな?」
と恐る恐る聞いてくる。
『う、嬉しいです!すっごく!』
勢い良く答えると、
「ああっ…良かったぁー」
と嬉しそうに呟く龍之介さん。
『ほんとに嬉しいです、ありがとうございます、龍之介さん』
改めて心からの感謝の気持ちを伝えると、
「ありがとう、はこっちのセリフだよ。…琴音、産まれて来てくれて、俺と出逢ってくれて、俺のそばに居てくれてありがとう。これ、プレゼントだよ。開けてみて?」