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貴方と紡ぐ物語 【アイドリッシュセブン】【R18】

第3章 誘う華、誘われる蝶 【八乙女楽】 


……帰って来た。



『琴音は…もう寝てるか』


楽の声が聞こえて、その後すぐに聞こえなくなった。


恐らくお風呂に入ったのだろう。




………今さら、緊張感が高まってきた。



いやいや、やる事は一つじゃ無いか、何を緊張する事があるんだ。


そう思っても、やはり緊張が私の身体を包む。





もし、誘惑出来なかったら。



……考えるだけで、余りの恐ろしさに身体が震える。






とりあえず誘惑の方法だけを考えよう、そうしようと自分に言い聞かせていると。



「ふぁーあ、…眠」



楽が部屋に入って来た。


いつの間にそんな時間が経っていたのか。




誘惑の方法は、楽が布団をめくったら抱きついて、耳元で『抱いて…』と言う事にした。


誘惑の方法なんてぽんぽん思い付くものでは無いので、これでも必死に考えた結果だ。





そんな事を考えている間に、楽はどんどん近づいて来る。


…よし、覚悟を決めろ、私。



「琴音は…やっぱ寝てるな、…おやすみぃっ!?」



楽が驚きの声を出す。

それもそうだ。

寝ていると思っていた相手がいきなり抱きついて来たんだから。


「っっ、…びっくりした、…どうしたんだよ、…てゆーか、その格好!?」


格好にも驚いてくれた。


…後は言うだけだ、誘う言葉を。



これで全部分かる。




『…ね、楽、抱いて?』
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