第8章 《エルヴィン》堕ちる2 ※
「っんん…」
「次から次へと可愛らしい声を聞かせてくれるね。すごく、昂奮する…」
エマを片腕で抱きしめるようにして支えながら、背中を這う指は止まない。
「はっあ!ちがっ!」
「何が違うんだ?君の口から聞こえてくるのは甘ったるくて気持ちよさそうな、可愛い声だよ。」
「そんな、じゃない…っ」
「じゃあ…」
そう言いかけたエルヴィンの指が背中から消えた。
そして次の瞬間、耳の穴にピタリとくっついた唇から発せられたのは、この上ないほどの優しい声。
「どうしてそんな声を出してるのかな?」
そして、
「んあ゛っ!」
ぷつり…とナカへ埋められた、太い中指。
「ほら…どうしてそんな声が出てしまうのか教えてくれないか?」
「はぅっあ!っああ゛!」
「何?全然分からないぞ?ハハ…まだキスしかしていないというのにこんなに濡らして…厭らしい子だね。」
「ちが、っぁう゛あっ、ゃっやめ…て、あっ!」
指はすぐ二本に増やされていた。
エルヴィンの言うとおり、エマのソコは太い指を二本とも容易く飲み込んでしまえるほどに潤っている。
必死に気づかないフリをしてきたのに、エルヴィンが中を掻き回す度にチュクチュクと音が鳴って、嫌でも“濡れている”という事実を思い知らされる。
「はぁっあ!だ、めっ!あ゛!やめ…や、めてぇっ!!」
「気持ちいんだろう?ほら…気持ちいいと認めてしまいなさい。もっと良くしてあげるから…」
「ん゛っいっいわな…あぁっ!」
エマはもう分かっていた。
いくら否定の言葉を並べたって、全く無意味だということを。
この男の腕の中にいる限り、強制的に与えられる快楽から逃れる道はないということを…
逃げたい、逃げたい逃げたい逃げたい
でも、
「あぁ…膝が笑ってしまっているな。立っているのも辛いだろう。もっと私に体重を掛けて。」
もう下半身には全くと言っていいほど力が入らなくて、結局言われるがままエルヴィンの首にしがみつくようにして何とか自立することしかできなかった。
「良い子だ…素直に言うことを聞いてくれたご褒美を、ひとつあげよう。」
バラバラな動きをしていた指が腹側に曲げられ、ピタリとその場所に狙いを定めて動き出した。