第3章 《エルヴィン》現実逃避 ※
「はぁぅっ……あっ……あぁ……」
エマは力の入らない手で緩く陰茎を握ったままエルヴィンの太ももに力なく頭を預けて、口端から唾液を垂らしながらただ喘いでいる。
さっきからエルヴィンが絶妙な加減で陰核と陰茎への刺激を続けているせいで、エマは昇りつめそうになってはそれが遠のくのを何度も繰り返して、身体がおかしくなり始めていた。
「あっあっ…あぁぁっ………………はぁっ、はぁっ…」
「だいぶ苦しそうだな。少し苛めすぎたか。」
「はぁっあっ……エルヴィ……もう………」
「そうだな、そろそろ楽にしてやろうか。」
早くイキたいと言わんばかりに陰部を押し付け悲痛な声を上げるエマへエルヴィンは優しく言うと、膣内の最奥へ二本の指を捻り入れ、大きく膨らんだ陰核を絶妙な力加減で吸い上げた。
「んあぁぁぁぁぁっ……」
叫び声のような嬌声を張り上げ派手に昇天したエマは、同時に自身の下半身から液体が放出される感覚を感じる。
あれだけ嫌だと思っていたのに、今のエマにはそれさえも激しい絶頂を後押しする快感となって、全身を駆け巡った。
「はぁっはぁっ………ご、ごめんなさい!……」
力の入らない身体を起こしてエルヴィンを見れば、エマの体内から吹き出た水分で顔周りがびしょびしょに濡れていた。
すごく申し訳なくなって咄嗟に謝るが、やはりエルヴィンは嬉しそうな表情で口周りについた体液をベロりと舐めとっている。
その仕草はこれ以上になく淫猥なもので、エマは不本意ながらもひどく昂奮してしまうのだった。
「謝る必要はない。俺はこれが欲しかったんだから。」
「ほんとに……恥ずかしい。」
満足気に顔の体液を拭う姿を見て、エルヴィンの性癖は普通ではないことを改めて悟るエマ。
一人称がいつの間にか“俺”になっていることからも、かなり昂奮しきっている様子が伺える。
しかしその姿に昂奮してしまう自分もまた、エルヴィンと同類なのだなと思うエマなのであった。
「さて………これだけ君に欲情させられっぱなしでこちらももう限界だ。いいね?」