第12章 《エルヴィン・リヴァイ》 “アイシテル” ※
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弱い箇所を左右同時に責められてつらいのだろう、なんとか逃げようとエマは懸命にもがいている。それが面白くてリヴァイは隈無く舐め上げた。
耳裏から耳輪をなぞり、耳朶を食んで再び穴を塞ぐ。ヂュポッと音を立ててやればエマの反応も大きくなった。
割り開かれた唇からは色づいた声がひたすらに。
「ほら、エマ。リヴァイに自己紹介は…?」
蕩けた女の向こうから、酷く優しい囁きが。
「や、ぁ…… やめっ… も、やぁ!」
「どこをどうされるのが好きかちゃんと言わないと。彼はまだ…何も知らないんだから」
「知ら、なくてい、ぃ……!」
「ほう…… ならこっちから見つけてやるよ」
リヴァイが耳を千切る勢いで噛むとエマの全身に力がこもる。
広がる鳥肌が快感によるものか苦痛によるものか定かじゃないが、とにかく何かしらを感じているならそれでいい。
「リヴァイ……もう少し手加減してやりなさい。エマは人間だよ」
エルヴィンが悲哀に満ちた声で「可哀想に…」と続けた。
その慈悲深い男の手がエマを撫でていき、キャミの上から胸を鷲掴む。
途端、痛と悦が交じり合った啼き声が。エルヴィンは優しく触れているわけではないらしい。
「…てめぇはそういう男だよな」
“そういう男”と同じ、慈悲の一切ない手でエマの胸を、こちらはやわやわと揉みしだく。尖りきった先端には触れないようにして。
「ひ、んっ…… そ、……っ!!」
「一気に虐められるの気持ち良いな、…エマ」
リヴァイは囁く。
「きも、ちくっ…な、んぁっ……」
エルヴィンが牙を立て、女はグラリと揺れた。
どうなっても関係ないが意識を飛ばされてはつまらない。反応がなきゃ、つまらない。
その思いを見透かしたようにエルヴィンがエマの乳首をつねった。震える太腿は、すでに機能していない。
ビクッと跳ねたエマは明らかに昂っていて、ああ、イキそうなんだな、と気づく。躰はとっくにエルヴィンに掌握されていたらしい。
リヴァイも先端をねじってやると、女はあっけなく一度目の絶頂を迎えた。乳首だけで。だらしない。
エルヴィンが、ベッドへ行こうか…、と労るような言葉をかけている。