第10章 《リヴァイ》 一線 ※
「リ…ヴァイ……」
初めて名前を呼ばれ少しのくすぐったさと、それ以上の喜びと昂りを感じリヴァイは思わずまた唇を塞いだ。
本能に任せ唇と舌を動かしながら、部屋着の下へ手を差し込む。
熱の篭った中を進み なだらかな双丘にたどり着くと、下着を押し上げ直に触れた。
「オイ……しっかり勃ってんじゃねぇか…」
撫でる掌に引っかかりを感じて リヴァイは思わず口角が上がってしまう。
「だ、だって…っん!」
ピンと上を向く先端を抓まむと小さな身体は跳ねた。
「ここを弄られるのは初めてか?」
「んっ…ちがう、けど…あぁっ!!」
否定の言葉を聞いた瞬間、リヴァイは抓む指先に力を込め、コリコリと捻り上げた。
「そうか…なら手加減してやる必要はねぇな」
「いっ!んっあぁ!!」
強く挟んで引っ張ると甲高い声で啼く。
「ハッ、いい声出すじゃねぇか…」
冷静を装ってはいるが、今リヴァイの心は無茶苦茶な嫉妬の感情が埋め尽くしていた。
エマとは恋愛だのといった話は今までしてこなかった。今思えば無意識に避けていた節もあるだろう。
だからコイツに恋人がいたかどうかなんてのも知らなかったのだが。
自分以外にエマに触れた男がいる…
その事実を知った今、瞬く間に頭に血が昇り今にも爆発してしまいそうになった。
「あ゛っ!おに、ちゃ…い゛っ、た…!」
「そう呼ぶなと言っただろ」
両方の乳首を天に向かって引っ張り上げる。
「あ゛ぁっ!リヴァっ、リヴァイィっいたい!や゛っやめっ!!」
ぎゅうと瞑った目の端から涙が零れているのを見て、リヴァイはやっと指を離した。
「はっ、はぁっ…なん、で…」
潤んだ目で見るエマ。
そんな顔も、さっきの声も俺以外の誰かに聞かせたのか…?
そうだと言うなら…
「全て抹消してやる」
「……え?」
エマの上に覆い被さり、不安げな瞳を捕らえた。
「今から全部上書きしてやるって言ってんだ」
「お、に……」
「もうお前の兄貴じゃねぇ。元々血も繋がってないしな。だがそれは好都合だ…煩わしいこと考えなくて済むからな…」
また流れた涙を、舌で掬った。