第22章 お弁当
しっくりきた感覚に満足していると、横で弱々しく嘆く声が聞こえてきた。
「俺のイメージがどんどん悪くなる…」
今更頭を抱える修兵。
そういえば先程も、九番隊に行くと言ったら何故か気をつけろと浮竹に言われた。京楽にも最近よく言われる。きっと皆から親しまれている証拠だ。
「それより、本当にありがとな。旨かった」
東仙のせいで逸れてしまった状況を戻す修兵。お口に合ったのなら何よりだ。空の弁当箱を受け取り萌は微笑んだ。
「お礼と言っちゃ何だが…夏祭り、一緒に行かないか?」
修兵はさらに話題を移すとそう提案してきた。
「毎年恒例の流魂街の祭り。俺、今年は萌と行きたい」
言われてみればそろそろ夏祭りの時期だ。急なお誘いで驚いたが断る理由なんて微塵もない。
「は…はい!あたしも行きたいです」
「よし、じゃ祭りの日は萌を予約な」
催し物の少ない瀞霊廷では、夏祭りはこの時期の一大イベントだ。飲み会にあまり参加しない萌にとっては楽しみな催しだった。
檜佐木さんと行けるなんて、本当に舞い上がるくらい嬉しい。当日が待ち遠しいな…
.