第19章 仲間
恋次の寂しそうな顔を見ていると胸が切なくなる。ルキアが戻ったら、また三人で笑い合おう。そう願っているのに、結局口には出せなかった。
その後、技局からの帰りがけに寄ったという修兵を執務室で出迎えた。
立ち寄ってくれて嬉しかったが、先程までの気持ちをまだ引きずっていて明るく振る舞えずにいた。
「まだ頑張ってたのか、大丈夫か?」
元気がないことを察したのか気遣ってくれる修兵。
「明日は非番なので、前倒しで出来る事は終わらせておこうと…」
「えっ…萌も?」
話し終わらないうちに修兵が驚いた反応を返す。
言葉尻からして、もしかして…
「檜佐木さんも?」
「俺も非番だったんだが、呼び出し掛かっちまって結局出勤だ。ああクソっ…」
本当に残念そうに彼は悔しがった。もし休みだったら一緒に過ごせたかも、と妄想すると確かに残念で、萌も内心がっかりした。
「…まぁ、あんまり無理すんなよ」
「檜佐木さんこそ、明日もあるなら早めに切り上げてくださいね」
「ああ…そうだな…」
…あ、追い打ちかけちゃったかな?
だいぶ落ち込んだ様子の彼を見て不憫に思った萌は、一人胸の内で決心した。
…そうだ、明日は九番隊をこっそり訪ねてみよう。
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